誰もが読みたかったバットマンとジョーカーの共闘作品デッドリーデュオを紹介する。
作者のマーク・シルベストリは脚本からペン入れまで自分でこなし、制作に七年かかったという。
絵柄もアメコミ特有のギラギラ感がなく、日本の漫画に慣れた自分にとって非常に読みやすかった。
まるで一本の映画を観てるような感覚である。
バットマンの話が前後してないので、主要なキャラクターさえ分かれば初心者でも楽しく読める一冊だ。ちなみに自分はこの作品がバットマンコミックの2冊目で、キャラクターや背景などほとんど知らずに読んだが、とても楽しめた。この一冊で完結するのでバットマン初心者にオススメしたい。
以下にネタバレを含むあらすじレビューを書いたので、読んでない方はご注意ください。
あらすじ ネタバレレビュー
ハーレイが誘拐され何者かに幽閉された。
その頃、バットマンは警察官の殺人事件を追っていた。犯人はジョーカーの風貌をしており人間離れしてる能力があった。
そんな中バットマンのもとにプレゼントが届く。中身はジム・ゴードンの身体の一部であった。その場にジョーカーが現れバットマンに共闘を持ちかける。
「俺のものを奪いやがった奴がいる…取り戻さなきゃならん」
バットマンはジムを救うため、ジョーカーは大事なものを取り返すため共闘する。
ちなみに、バットマンとジョーカーが共闘するコミックは「バットマン ヨーロッパ」や「ラストナイトオンアース」「梟の法廷(ワンシーンのみ)」がある。どれも大好物だ。
共闘シーンは、バットマンが戦っている最中、ジョーカーは何か問題起こす、という想像通りの展開だ。
この作品のジョーカーはコミカルな感じが強く、可愛らしい一面がある。
例えば、敵と戦っている最中、屋上から落ちそうになり「おーい、バッツぅー助けてくれー」と手を伸ばしてバットマンに助けを求めたり(勿論、バッツは助けて二人はビルから落ちる)、バットモービルでトイレを我慢してたり,ハーレイに振り回されたり、作中で本人も「お笑い担当」と言ってる通り、コミカルジョーカーである。
バットマンは強くてかっこいい。戦いのシーンのバットマンの肉体が、とてもかっこいい。筋肉が丁寧に描かれており、躍動感を感じる。対比するためか、ジョーカーはガリガリの痩せぎすの男として描かれている。

ブルースの時は大人の渋みがあり、冷静な探偵として活躍する。コミックでよく描かれるブルースの狂気(どう表現していいかわからないが)や孤独が少なく、真っ当な大人して存在している。好みのブルースです。
そして犯人のヴィラン。
なかなか、いい味を出している。
犯人は幸せの絶頂、結婚式の最中にジョーカーに突入され、バットマンと警察の争いに巻き込まれ亡くなった新婦であった。
新婦の父親は医療研究をしている会社の社長で、娘を蘇らせてしまう。
死から蘇った娘は、バットマン、ジョーカー、警察関係者に復讐を誓い、彼らを襲う。
悲しいヴィランなのだ。
個人的好きなシーンはジョーカーとバットガールの戦いのシーン。バットガールがクールで可愛いくてかっこいいのだ。二人の肉弾戦の戦いは見たことないので、とても楽しめた。
そのほかに、ジョーカーとハーレイが溺れそうになり、バットマンが手を伸ばし「手を取れ」と叫ぶとジョーカーが「恥ずかしいからやだ」と拒否するシーン。ふふふ、と笑ってしまった。
そして、なんといっても一番の見どころは、バットマンとジョーカーの共闘からの死闘のシーン。ジョーカーの大事な物が入っている金庫の鍵をバットマンが敵から盗み首にかけ、ジョーカーに「取りに来い」と言うところ。
バットマンがジョーカーをボコボコにするんですね。歯が抜けるまでジョーカーを殴り続けるバッツ、最高です。
ジョーカーが、そんなになってまで守りたかった大事なものとは…なんとバットマンの正体だったのだ。
犯人はバットマンの正体を紙に書き、金庫に入れ、ジョーカーを破滅させようとしたのだ。
ジョーカーにとってネタバレなんて興醒め以外の何物でもないからだ。それによってバットマンも破滅させようと、目論んでいたのだ。
ジョーカーは結局部下に金庫を開けさせ、部下ごと爆破し秘密は守られる、という。
最高のオチです。
巻末に作者のネーム(下書き、ラフ絵)が載っているのだが、絵がうまいことうまいこと。感動してしまう。
コミックにしては少し値段が高いけど、絵は綺麗だし、話は面白いし、読んで損はない一冊です。



コメント